「4ハウスってどんな意味?」
「居場所づくりや安心感は?」
「家庭や親との関係はどこで読むの?」
そんな疑問に答えていきます。
この記事を読み終える頃には、4ハウスが示すテーマと全体像がすっきり理解できるはずです。
4ハウスは「家庭・家族」と結びつけて語られることが多いハウスです。
ですが本質は、心の根っこをどこに置くのか、私生活の基盤をどう築くのか。
その延長線上に家庭環境や親との関係、不動産や住まいのテーマが位置づきます。
ホロスコープを読むときに、
- 天体=何が(WHAT)
- サイン(星座)=どのように(HOW)
- ハウス=どこで(WHERE)
という3つを組み合わせて解釈していきます。
4ハウスは「どの領域で安心の根っこ・私生活の基盤が形づくられるか」を示す場所です。
映画でたとえるなら、4ハウスは「舞台裏」や「楽屋」のような場所。
表のシーン(社会での活躍)を支える、家庭の空気感や家族との関係、心が休まるスペースがここにあります。
4ハウスとは?――「居場所」と「ルーツ」を育てる場所
4ハウスは、人生という物語の舞台裏のシーン。
家族との関わりや住まいの空気感、幼い頃に育まれた感情の“基準値”がここに刻まれます。
表舞台を照らす10ハウスに対して、4ハウスはもっともプライベートで隠れた部分。
誰にも見せない内側の部屋で、人は心を休め、エネルギーを取り戻す場所です。
家や土地といった物理的な基盤から、両親や祖先とのつながりまで。
「ここに帰れば大丈夫」と思える安心の感覚まで、このハウスの象徴といえるでしょう。
人生の後半や老後の安心感、継承や終い支度といったテーマも4ハウスに含まれます。
家族やルーツとの関わりを通じて“次の世代へつなぐ”場面で、このハウスは大きな意味を持つのです。
4ハウスの主なキーワード
- 家庭・家族・住まい・居場所
- 安心・土台・感情の基準
- ルーツ・祖先・継承
- 不動産・土地・家財
- プライベート・内輪の空気
「家=物件」だけじゃない
4ハウスの“家”は、単なる建物や物件を指すわけではありません。
心が休まる「暮らしの体験」全般を意味します。
たとえば、
- 空間の質(落ち着ける部屋の雰囲気・暮らしの動線)
- 家族のあり方(会話の温度・支え合い・役割分担)
- 生活の感覚(食卓の音・温度・匂いなど五感に残るもの)
- 心の基盤(安心できる場所・感情をリセットできる空間)
- ルーツのつながり(両親や祖先、受け継がれた習慣)
- 不動産や土地(住まい・持ち家・相続する財産)
何をそこに置くと「帰ってきた」と思えるのか――その選び方そのものが4ハウスの力です。
4ハウスに入っている天体を調べる方法
ホロスコープの12ハウスは、あなたの人生を映す舞台のようなものです。
恋愛、仕事、家庭、人間関係――それぞれのシーンを象徴しています。
そして天体は、その舞台に登場する役者。
どのハウスにいるかによって、その役者がどんな場面で活躍するのかが決まります。
「私の4ハウスに天体はあるのかな?」と思ったら、まずは出生図(ホロスコープ)を確認してみましょう。
無料のホロスコープ作成サービスを使えば、簡単に自分のチャートを出すことができます。
4ハウスの位置に天体のマークが入っていれば、、それが”家庭や心の土台”の場面に登場している星。
どの天体があるかによって、居場所へのこだわり方・親との関わり・安心の基準が浮かび上がってくるでしょう。

4ハウスのよくある誤解と正しい捉え方
誤解1:4ハウス=親問題だけ
→ 正:家庭・住まい・心の回復・ルーツ・継承まで“土台ぜんぶ”を扱います。
誤解2:天体が無い=読むことがない
→ 正:4ハウスのサインと支配星(ルーラー)の位置でも、居場所づくりの傾向が読めます。
誤解3:不動産の運だけ
→ 正:物件は要素の一つ。住環境の質や家の空気、内的な安心とも強く結びつきます。
誤解4:幼少期=決定事項
→ 正:初期設定ではあるが固定ではありません。大人の選択で上書き・再設計が可能です。
IC(イムム・コエリ)とは――内側の“根っこ”
4ハウスの中でも特に大切なのが「底のポイント」。
ここにあるサインをIC(イムム・コエリ/天底点)と呼びます。
ICは、4ハウスの入り口にあたる場所で、生まれた瞬間に天空の最も下に位置していたサインによって決まります。
一般的には「家庭やルーツ」と説明されることが多いですが、それだけにとどまりません。
ICは、私たちが心の奥で安心を求めるときの"本拠地”のようなものです。
普段は表には出にくいですが、帰る場所や支えをどう選ぶかの基準となり、人生の転機や疲れたときに立ち戻る内的な拠り所を示します。
いわば、社会に向かう前に力を取り戻す“内側の根っこ”。
たとえば――
- 月(感情の反応)とIC(心の根っこ)が同じサインなら、幼少期の感覚がそのまま大人になっても心の安定の基準になりやすい
- 逆に真逆のサインなら、「落ち着くと思う場所」と「実際に安心できる環境」の間にズレを感じることもある
こうした違いに気づくことは、「なぜ特定の場所や人に安心するのか」「どうすれば深い安心感を育てられるのか」といったヒントになります。
天体が4ハウスにあるとき(ネイタルチャート版)
4ハウスに天体があると、家庭・住まい・心の土台の場面で、その天体の性質が強調されます。
それは単に「家族との関係」や「家の物件」といった目に見える部分にとどまらず、幼少期の環境・安心感の基準・感情の拠り所といった内面的なテーマも含まれます。
太陽が4ハウス ― 家の中心で自己表現が息づく

太陽が4ハウスにあると、家庭・ルーツ・心の基盤がその人の自己表現と強く結びつきます。
家族や住まいとの関わり方が「これが自分だ」という実感を支える源となり、安心できる場所を持つことが人生全体の活力に直結します。
幼少期の体験や家庭の価値観が自己形成に深く影響しやすく、家族の中で果たす役割や、伝統に誇りを感じる一方、
そこで得たルーツをどう自分の表現に生かすかが大きなテーマになります。
また、家庭の中心に立つことや、家族を支える立場になることに自然と導かれる傾向もあります。
住まいや私生活を整えることが、自分らしさの光を安定させる鍵になるのです。
月が4ハウス ― 家の空気と感情が直結する

月が4ハウスにあると、家庭・住まい・幼少期の環境がその人の感情と深く結びつきます。
家の空気感や家族の雰囲気が、そのまま心の安定や気分の揺れに反映されやすいでしょう。
幼い頃の体験や家族の在り方が「感情の基準値」となりやすく、子ども時代に安心を感じられたなら、大人になっても落ち着きを保ちやすく、逆に不安が多かったなら後年もその影響を繰り返すことがあるのです。
また、この配置は「家庭に帰ることで気持ちが整う」という特徴をもたらします。
安心できる住まい、居心地のよい習慣や空間づくりが、その人の心を支える大きな柱になるでしょう。
水星が4ハウス ― 会話と記録で育まれる安心

水星が4ハウスにあると、家庭内でのコミュニケーションや思考の流れが、暮らしの土台を支えるテーマになります。
会話や記録を通じて、家の空気や家族との関わり方が整理され、安心感が育まれていくのです。
また、過去の出来事や家族の記憶に心が引き寄せられやすい傾向も示します。
幼少期の言葉や雰囲気が無意識のうちに残り、大人になってからの居場所づくりや考え方の基準に影響を与えることがあります。
その一方で、情報や思考が積み重なりすぎると窮屈に感じることも。
必要なものを「今の生活に合う形」に絞っていくことで、家庭はより柔軟で心地よい空間となるでしょう。
金星が4ハウス ― 心地よさと美意識が土台を温める

4ハウスに金星があると、家庭や住まいが安心と喜びの拠り所となります。
家族との結びつきや暮らしの空気感を大切にし、花や器、光や香りといった小さな美しさを通じて心を整えていくでしょう。
子ども時代の家庭が温かく支えとなった人は、その感覚を自然と再現しようとします。
逆に幼少期に満たされなかった部分がある人は、大人になってから「心地よい居場所を自分で築く」ことが大切なテーマとなります。
他者の目ではなく自分の感覚を基準にすることが、金星のもたらすやわらかさを健やかに育て、人生の土台を温めてくれるのです。
火星が4ハウス ― 住まいを動かす推進力

火星が4ハウスにあると、家庭や居場所にエネルギーと行動力が注がれます。
住まいを整える、守る、動かすといったテーマに強い意欲が生まれやすく、「ここが自分の拠り所だ」という感覚を能動的につくり出そうとします。
その力は、ときに家族や親との関係をめぐる摩擦として現れることもあります。
自分の思いを押し通そうとするあまり、家庭内に緊張を生むことがあるのです。
けれどもその根底には、「家を守りたい」「安心できる基盤を築きたい」という強い欲求が流れています。
建設的に使うなら、火星の推進力は模様替え・修繕・引っ越しなど住まいの変化を前向きに動かす力となり、家庭に新しい息吹をもたらします。
大切なのは、力を“守るための行動”に向け、対立ではなく協力につなげていくことです。
木星が4ハウス ― 受け皿が広がり、安心が育つ

木星が4ハウスにあると、家庭や居場所に豊かさと安心を広げる力が宿ります。
人とのつながりや学びを通じて、家の空気感が自然と明るく、開かれたものになりやすいでしょう。
また、家族や仲間との時間に充実感を見出す傾向があります。
幼少期に支えられた経験が、人生の土台として安心感を与えることもあれば、大人になってから「心地よい環境を育むことで人を支える」役割を担うことも少なくありません。
ただし広がりが大きすぎると、家の中に雑多さや散漫さを招きやすい一面もあります。
一つひとつ整え、余白を残す意識を持つことで、現実の基盤にしっかり根を張り、安心と誇りをもたらしてくれるでしょう。
土星が4ハウス ― 責任感で築く揺るぎない基盤

土星が4ハウスにあると、家庭・家族・心の土台に対して強い責任意識が芽生えます。
幼少期に厳しさや制限を感じやすく、家の中で「大人の役割」を早く担ったり、自分で安定を求めざるを得ない経験を持つ人も少なくありません。
こうした背景は一見重荷のように思えますが、同時に着実に基盤を築く力を育みます。
家計の管理や家族への献身など、時間をかけて形にすることを得意とし、「確かな安心」を積み上げる力は土星ならではの強みです。
ただし、厳しさが過度になると「家庭=義務の場」と感じてしまうことも。
小さな達成を認めて心の柔らかさを保つことで、重さではなく安心へと変わり、人生全体を支える強固な根っことなります。
天王星が4ハウス ― 居場所の常識をアップデート

天王星が4ハウスにあると、家庭や住まいのテーマに「自由」と「刷新」の力が働きます。
伝統的な家族観や住まいのかたちに収まりきらず、独自のスタイルで心の基盤を築こうとする傾向が強まるでしょう。
幼少期に突然の引っ越しや家庭の変化など、安定を揺さぶる体験を持つ場合もあり、そこから「自分にとって本当に安心できる居場所は何か」を模索する姿勢が育ちやすい配置です。
大人になってからも、暮らし方をおもいっきり変えたり、共同生活や新しい家族形態を選んだりと、既存の枠を超えた“ホーム”のあり方を追求することが多いでしょう。
落ち着きにくさを感じる場面もありますが、拠り所となる自分なりのルールや価値観を明確にすることで、変化の力は「不安」ではなく「解放」となり、人生を支えるしなやかな土台へとつながります。
海王星が4ハウス ― 境界がゆらぎ、理想を映すホーム

海王星が4ハウスにあると、家庭や住まいに対して強い理想や憧れを抱きやすくなります。
温かな家族像や「完全な安心」を夢見ますが、現実がそのイメージに追いつかないと、物足りなさや曖昧さを感じることもあるでしょう。
幼少期の環境においても、秘密やはっきりしない関係性、あるいは境界の不明瞭さが影響している場合があります。
その体験は、大人になっても「どこまでが自分の安心で、どこからが他者との混ざり合いか」を問い続けるテーマとなりやすいのです。
一方で、この配置は深い共感力と癒しの感受性を育みます。
家族や身近な人の感情を敏感に受け取り、寄り添うことで支えとなれるでしょう。
また、芸術やスピリチュアルな活動を通じて「心の居場所」をつくることで、現実の家庭の課題をしなやかに補うことも可能です。
冥王星が4ハウス ― 根っこの再編成

冥王星が4ハウスにあると、家庭やルーツ、心の土台に強烈な変容の力が注がれます。
家族関係における緊張や秘密、力関係の葛藤などを通じて、深い感情的な揺さぶりを経験することがあるでしょう。
こうした体験は、その人の「安心」や「帰る場所」の定義を根底から問い直させます。
幼少期には、重苦しい雰囲気や避けられない衝突の中で育ったり、家族内の大きな変化を通じて心に深い印を刻む場合があります。
これらは一見負担のように映りますが、同時に「自分にとって本当に支えとなるものは何か」を探し続けるきっかけにもなります。
大人になってからは、受け継いだ価値観やパターンをそのまま繰り返すのではなく、古い構造を壊して新しい基盤を築く再生のプロセスが求められるでしょう。
その過程で、自らの意思で「居場所をつくり直す力」が育ちます。
まとめ
第4ハウスは、人生の根を育てる「居場所と安心のステージ」です。
ここにどの天体があるかによって、「どんな家庭を築き」「どこで心を休め」「どのルーツを拠り所にするのか」が色づけされます。
太陽なら家庭やルーツが自己表現の土台となり、月なら家の空気感が感情の安定に直結し、水星なら言葉や記憶が暮らしの基盤を整える力に――それぞれの天体が、この「心の根っこを形にする場」で個性を映し出します。
ただしそれは「親や家の影響に縛られる」ことを意味するのではなく、どんな環境や基盤が“安心の出発点になりやすいか”を示すひとつの指標です。
自分の第4ハウスを知ることは、「私はどんな居場所で落ち着けるのか」「どんなルーツや習慣が自分を支えているのか」といった理解につながります。
それを意識的に活かすことで、心の回復や安心の作り方が見えてきて、人生全体をよりしなやかに支える土台を築くヒントとなるでしょう。