「活動宮・固定宮・柔軟宮ってどういう意味?」
「同じ星座でも、行動パターンやテンポが全然違うのはなぜ?」
「星座ごとの“動き方”や“リズム”の違いを知りたい」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
西洋占星術では、12星座をいくつかのグループに分けて読み解きます。
その中でも、行動のリズムや反応のパターンを理解するうえで重要なのが、
「活動宮」「固定宮」「柔軟宮」という3つのクオリティ(三区分)です。
クオリティは、それぞれの星座がどんな動き方をするのか、どのようにエネルギーを使っていくのかを示すもの。
言い換えれば、人生にどう向き合い、どんなテンポで世界と関わっていくのか――
その“行動のスタイル”を表しています。
この記事では、西洋占星術のクオリティ(三区分)の基本的な意味と、各星座における特徴をわかりやすく解説していきます。
| エレメント/クオリティ | 活動宮 | 固定宮 | 柔軟宮 |
| 火 | 牡羊座 | 獅子座 | 射手座 |
| 地 | 山羊座 | 牡牛座 | 乙女座 |
| 風 | 天秤座 | 水瓶座 | 双子座 |
| 水 | 蟹座 | 蠍座 | 魚座 |
クオリティ(3区分)は「始める(活動宮)→維持する(固定宮)→変化させる(柔軟宮)」というサイクルと結びついており、この順番は常に同じサイクルで繰り返されています。
例えば、牡羊座(活動宮)→牡牛座(固定宮)→双子座(柔軟宮)→蟹座(活動宮)のように12サインの順番に回っていきます。
季節との関係

そして、このクオリティ(三区分)は季節のサイクルとも連動しています。
- 活動宮:季節の始まり
牡羊座(春)、蟹座(夏)、天秤座(秋)、山羊座(冬)
→ 何かを始めるのが得意。率先して物事に取り組むサイン。 - 固定宮:季節の真ん中
牡牛座(春)、獅子座(夏)、蠍座(秋)、水瓶座(冬)
→ 維持・持続する力が強い。安定感があり、変化に抵抗しやすい。 - 柔軟宮:季節の終わり
双子座(春)、乙女座(夏)、射手座(秋)、魚座(冬)
→ 柔軟で適応力があり、物事を変化させ、次の段階へつなげる。
エレメントとクオリティを組み合わせると、それぞれの星座の個性がより明確になります。
たとえば、牡牛座は「地×固定宮」なので、長い間、堅実に物事を続けることができるような性質を持っています。
活動宮(Cardinal) ― 物事を始める力

活動宮は、物事のスタートを切る役割を担います。
牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座がこのグループに属し、いずれも季節の始まりを告げるサインです。
このクオリティ(3区分)を持つ人は、自分から動き出し、新しい挑戦に取り組むことが自然にできます。
行動の原動力は「今この瞬間」。直感に従い、自分の意思で進む力強さが特徴です。
共通点は、“止まっていられない”こと。
けれど、何を動かしたいのかは、星座ごとにまったく違います。
それを決めるのがエレメント(火・地・風・水)の違いです。
牡羊座 ― 火の活動:意志を燃やして世界を切り拓く
牡羊座の活動性は、純粋な“衝動”と“直感”が源。
考えるより先に体が動き、「やってみたい!」という感覚が人生を動かします。
火のエレメントの中で最初に火を灯すのが牡羊座。
そのエネルギーは外へまっすぐ放たれ、何かを“始める”ことで自分を確認するタイプです。
失敗してもすぐに立ち上がれる強さを持ち、「スピード」と「開拓」がテーマ。
自分が動くことで、周囲も動かしていく先導者です。
蟹座 ― 水の活動:感情を動かして人を包み込む
蟹座の活動性は、“愛情”と“保護本能”から生まれます。
水のエレメントらしく、動きの目的は「守ること」。
自分や大切な人の安心をつくるために、感情を原動力に動き出します。
その行動はとても個人的で、情が深く、
外に打って出るというより“内側の世界”を動かすタイプ。
家族や仲間をまとめたり、感情の絆を強くしたり――
蟹座は「人と人の関係性」を温めることで世界を動かしていきます。
天秤座 ― 風の活動:関係を動かし、調和を生み出す
天秤座の活動性は、“対話”と“バランス感覚”にあります。
風のエレメントは理性や関係性を司り、天秤座はそれを「行動で調整する」サインです。
人との関係を築くために動き、対話を通して新しい可能性を生み出す。
つまり、人間関係という“空気”を動かすタイプです。
行動の目的は「調和」ですが、そこには「自分と他者の関係を創造する」という強い意志があります。
社交的で、交渉力にも長けた外交的リーダーとして動いていきます。
山羊座 ― 地の活動:現実を動かし、形にしていく
山羊座の活動性は、非常に実務的で、結果を生み出す行動力にあります。
地のエレメントは形と成果を重視し、山羊座は「理想を現実に落とし込む力」を持つ星座です。
行動は冷静かつ計画的。
すぐに動く牡羊座と違い、山羊座は目標達成のために動く。
その一歩には責任と戦略があります。
社会の中で結果を出すこと、時間をかけて地位や信頼を築くことが、山羊座の“活動”です。
4つの活動宮の違いをまとめると…
| 星座 | エレメント | 動かす対象 | 動きの目的 | キーワード |
|---|---|---|---|---|
| 牡羊座 | 火 | 意志・可能性 | 自分の衝動を形にする | スピード・挑戦 |
| 蟹座 | 水 | 感情・人間関係 | 守る・支える・つながる | 共感・保護 |
| 天秤座 | 風 | 関係・社会 | 調和をつくり、空気を整える | 社交・調整 |
| 山羊座 | 地 | 現実・社会構造 | 目標を形にし、成果を出す | 計画・責任 |
固定宮(Fixed) ― 安定と持続の力

固定宮は、季節の真ん中を担うサインです。
牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座がこのグループに属し、「安定」「継続」「守ること」を得意とします。
このクオリティ(3区分)を持つ人は、一度決めたことを粘り強く続けられるタイプ。
強い意志を持ち、揺るがない安定感を人や組織にもたらします。
反面、変化に対しては慎重で抵抗感を示すこともあります。
共通点は「一度決めたら動じない安定感」。
ただし、何を守りたいのかはエレメントによって異なります。
地・火・水・風、それぞれが異なる“持続のテーマ”を持っています。
牡牛座 ― 地の固定:安心できる世界を守り、豊かさを育てる
牡牛座の固定性は、「五感」と「現実」に根ざしています。
地のエレメントらしく、物質的な安定・暮らしのリズム・心地よさを大切にします。
一度気に入った物事や人、環境を長く守り抜く。
それは執着ではなく、「継続こそ安心」という世界観から生まれる強さです。
感覚を通して世界を味わい、日常の中に美を見つける。
牡牛座は“変わらないことの中に幸福を見出す人”です。
獅子座 ― 火の固定:自己表現を守り、自分という太陽を輝かせる
獅子座の固定性は、「誇り」と「創造性」を守ることにあります。
火のエレメントらしく、内なる情熱が長く燃え続けるタイプ。
自分の信念やスタイルを貫き通すことで力を発揮します。
誰かに認められるよりも、「自分が納得できる表現をする」ことが中心。
その揺るがない意志は、ときに強情に見えることもありますが、本質は“自己を信じ続ける力”です。
それが周囲に温かい光として伝わり、リーダーシップへとつながります。
蠍座 ― 水の固定:感情を深く保ち、絆を守り抜く
蠍座の固定性は、感情の持続にあります。
一度関わった相手、一度信じたものに対して、徹底的に深く入り込む。
水のエレメントとしての愛情や信頼を、「時間の中で育てる」ことが蠍座の強さです。
外の世界がどれだけ変わっても、心の奥にあるつながりは揺るがない。
その一途さはときに極端にも見えますが、本質は“深く関わることで、真実を守る”姿勢。
変わらない愛、変わらない忠誠。それが蠍座の固定のかたちです。
水瓶座 ― 風の固定:理想と自由を守り、考えを貫く
水瓶座の固定性は、「思想」と「理想」にあります。
風のエレメントらしく、柔らかく見えて実は芯が通っている。
他人や社会の常識に流されず、自分の理念や価値観を固く保ちます。
“自由”を守るためにこそ、明確なルールや哲学を持とうとするタイプ。
変化を恐れるわけではなく、「変化をどう体系化していくか」を考える知性。
理想を形にするまで、長期的な視点で粘り強く取り組みます。
4つの固定宮の違いをまとめると
| 星座 | エレメント | 守る対象 | 固定の目的 | キーワード |
|---|---|---|---|---|
| 牡牛座 | 地 | 安心・日常・感覚 | 安定した生活と豊かさを維持する | 安心・継続・所有 |
| 獅子座 | 火 | 自己・創造性・誇り | 自分らしさを貫き、輝きを保つ | 表現・信念・持続する情熱 |
| 蠍座 | 水 | 感情・絆・信頼 | 関係を深め、壊れない絆を築く | 一途・忠誠・再生 |
| 水瓶座 | 風 | 理念・価値観・社会 | 自分の考えを保ち、理想社会を目指す | 理想・独立・信念 |
柔軟宮(Mutable) ― 変化に適応する力

柔軟宮は、季節の終わりを象徴します。
双子座・乙女座・射手座・魚座がこのグループに属し、「調整」「適応」「変化の受容」を得意とするタイプです。
このクオリティ(3区分)を持つ人は、変化の波にスムーズに乗り、新しい状況に素早く適応します。
多様な視点を持ち、柔らかく人や環境に合わせて動けるのが強みです。
その一方で、流されすぎて方向性を見失うこともあります。
共通点は、「現状を固定せず、動きながらフィットしていく」こと。
ただし、何に対して柔軟なのかはエレメントによって異なります。
地・火・水・風、それぞれが異なる“持続のテーマ”を持っています。
双子座 ― 風の柔軟:情報と人をつなぎ、流れを動かす
双子座の柔軟性は、“情報”に対して発揮されます。
新しい知識や言葉にすばやく反応し、次々と取り入れていく。
それは好奇心だけでなく、情報の流れを止めないための柔軟さです。
変化しているものをキャッチし、それを別の場所へ運ぶ。
会話、移動、SNS……双子座が動くところには風が吹きます。
柔軟性の源=知ること。
双子座は「学ぶことで動き続ける」星座です。
乙女座 ― 地の柔軟:状況を読み取り、形を整える
乙女座の柔軟性は、“現実”に対して発揮されます。
変化が起きたら、それをより良い形に最適化する。
「ただ合わせる」のではなく、“調整して整える柔軟さ”が乙女座の本質です。
改善、整理、分析。
双子座が情報を動かすのに対し、乙女座は現実を整える。
柔軟性の源=役に立つこと。
乙女座は「変化を扱って、秩序をつくる」星座です。
射手座 ― 火の柔軟:変化を燃料にし、可能性を広げる
射手座の柔軟性は、“意味”に対して発揮されます。
自由に動き、経験を通して世界の真理を探す。
変化を恐れず、「方向性を更新する柔軟さ」が射手座の本質です。
乙女座が“整える”なら、射手座は“拡げる”。
柔軟性の源=経験。
射手座は「やってみることで理解する」星座です。
魚座 ― 水の柔軟:境界を解き、流れを受け入れる
魚座の柔軟性は、“感情と境界”に対して発揮されます。
形にこだわらず、流れに身を任せて世界を感じる。
それは受動ではなく、「変化を許す柔軟さ」です。
他者の気持ちに深く共感し、言葉では届かないものを感じ取り、つなげる。
柔軟性の源=共感。
魚座は「受け入れることで変化を流す」星座です。
4つの柔軟宮の違いをまとめると
| 星座 | エレメント | 柔軟に扱う対象 | 柔軟宮としての目的 | キーワード |
|---|---|---|---|---|
| 双子座 | 風 | 情報・人とのやりとり | 流れを止めず動かし続ける | 交換・学び・好奇心 |
| 乙女座 | 地 | 現実・仕組み・細部 | 調整し、最適化する | 整理・改善・分析 |
| 射手座 | 火 | 方向性・理想・可能性 | 意味を更新し、拡げる | 探求・自由・拡大 |
| 魚座 | 水 | 感情・境界・つながり | 受容して次へ渡す | 共感・癒し・融合 |
クオリティ(三区分)と自己分析

クオリティ(三区分)を知ることは、自己分析にとても役立ちます。
- 活動宮が多い人 → 新しいことを始めるのが得意、ただし飽きやすい面も。
- 固定宮が多い人 → 一貫性と安定感が強み、ただし変化に弱い傾向も。
- 柔軟宮が多い人 → 適応力が高く調整役になれる、ただし流されやすい面も。
逆に、どれかのクオリティが欠けている場合、行動パターンに偏りが出ることもあります。
- 活動宮が少ない→自分から率先して始めることに対して難しさを感じる
- 固定宮が少ない → 動き回るのは得意だが、物事を完結させにくい
- 柔軟宮が少ない → 柔軟性が欠け、融通が利きにくい
ポイント
ただし、無意識に「過剰に補う」こともあり、あえて頑固になったり、信頼されようと努力する場合もあります。
まとめ
西洋占星術のクオリティ(三区分)は、12星座の個性を読み解くうえで欠かせない視点です。
- 活動宮:物事を始める力。率先して行動し、新しい流れを生み出す。
- 固定宮:安定と持続の力。一度決めたことを守り抜き、揺るぎない存在感を持つ。
- 柔軟宮:適応と変化の力。流れに合わせながら次のステップへとつなげる。
自分のホロスコープにどのクオリティが多いか、逆に少ないかを知ることで、行動パターンの強みや課題が見えてきます。
「始める」「維持する」「変化させる」――この自然なサイクルの中で、自分がどこを得意とし、どこに偏りがあるのかを理解すれば、人生の選択や人間関係にも役立つでしょう。
クオリティは運命を決めつけるものではなく、自分らしい行動スタイルを見つけるためのヒント。
エレメントと合わせて理解することで、星座の個性がより立体的に見えてくるはずです。
