ホロスコープは天体・サイン・ハウス・アスペクトの4つの要素から構成されています。
今回の記事は、その中の「ハウス」について。
「12ハウスって何?」
「サイン(星座)とは違うの?」
「ハウスから何が読み解けるの?
そんな疑問を解消します。
この記事を読み終わる頃にはハウスの基礎と全体像がわかるはずです。
ハウスとは?

占星術におけるハウスとは、あなたが生まれた時間と場所をもとに、空を12の分野(部屋)に分けたものです。
あなたが生まれた瞬間、天体はそれぞれ特定のサインとハウス(人生の分野)に位置していました。
占星術師がホロスコープを読むときは、「天体=どんなテーマを持つか」「サイン=どんな性質で表れるか」「ハウス=どの分野で表れるか」を組み合わせて、あなたの得意なことや課題を読み解きます。
この説明だと難しいと感じる方は、
- 天体 = 何が(WHAT)
- サイン(星座)=どのように(HOW)
- ハウス= どこで(WHERE)
という対応で理解するとわかりやすいでしょう。
これらを映画や舞台で例えるのであれば、ハウスはセットやステージであり、その上で天体(=役者)が、それぞれのサイン(=役柄)に応じて役を演じているといったイメージできます。
たとえば「太陽が牡羊座・4ハウス」にある場合、
- 牡羊座 → 「行動力・スタート・情熱」の性質で太陽が輝く
- 4ハウス → そのエネルギーが「家庭・居場所・心の基盤」の領域で表れる
というふうに解釈できます。
つまり、「家庭やプライベートな環境(舞台セットの4ハウス)」の上で、「情熱的で先駆け的な役柄(牡羊座)」を持った太陽という役者が演じている――そんなイメージです。
また、天体が移動して特定のハウスを通過すると、そのハウスが象徴するテーマにスポットライトが当たりやすくなります。
たとえば「人間関係を見直す時期」「仕事にエネルギーが注がれる時期」といった形で、人生のどの部分に流れが来ているかを知ることができるのです。
ハウスの基盤 ― 4つのアングル

ホロスコープのハウスを考えるときに、特に大事なポイントが「4つのアングル」と呼ばれる場所です。
これは、あなたが生まれたときの太陽や地平線の位置から決まる基準のポイントで、人生の大きな柱を形づくります。
占星術では、この4つのアングルをもとにハウス全体が区切られるため、とても重要な意味を持つのです。
ASC/アセンダント
東の地平線から太陽が昇るポイント。
「自分自身」「社会に見せる顔や態度」「見た目や雰囲気」を表します。
生まれた瞬間にどのサインが東の空に昇っていたかで決まるため、「あなたの第一印象」や「外から見える性質」に大きな影響を与えます。
DES/ディセンダント
西の地平線でアセンダントと対角線上にあるポイント。
「人間関係」「結婚・パートナー」「他者との関わり」を表します。
アセンダントが「自分」だとすれば、ディセンダントは「相手」や「自分の鏡」。
どんな人と関わりやすいか、どんな関係性を築きやすいかがここに表れます。
MC/ミッドヘブン
太陽が最も高い位置にくる地点。
「社会的な顔」「キャリア」「目標・到達点」を表します。
仕事や社会的役割、将来どういう分野で認められやすいかを示す重要なポイントです。
社会に出ていくときの「看板」のような役割を持ちます。
IC/イムム・コエリ
MC(ミッドヘブン)のちょうど反対にある地点。
「家庭」「ルーツ」「心の基盤」を表します。
子どもの頃の環境や、内面的な安心感の源泉を示す場所です。
12ハウスの流れと役割 ― 個から社会へと広がる人生のステップ
ハウスの基盤となる4つのアングル(ASC/DESC/MC/IC)を理解したら、次は12のハウス全体の流れを見てみましょう。
第1ハウスは時計でいう「9時の位置」から始まり、そこから反時計回りに12のハウスが並んでいます。
この流れは「自分自身のことから始まり、だんだん人との関わりや社会全体へ広がっていく道筋」として理解できます。
つまり、ハウスは 「人生のステップを順番に描いた地図」 のようなものなのです。
まずは1つ1つのハウスを見ていく前に、ハウスの大枠を確認してみましょう。
第1〜第6ハウス:個人のハウス(プライベートのハウス)
最初の6つのハウスは「個人のハウス」と呼ばれたりします。
ここでは私たちの私的で身近な生活――自分自身、日常の環境、兄弟姉妹や同世代の人々、両親、そして「自分をどう定義し、どう表現するか」といったテーマを扱います。
出生図で第1〜6ハウスに多くの天体を持つ人は、自立や独立に苦労したり、幼少期のつながりを、大人になっても大切にする傾向があります。
第7〜第12ハウス:対人・社会的なハウス(オフィシャルのハウス)
第7から第12ハウスは「対人・社会的なハウス」と呼ばれたりします。
ここでは、人間関係、共同事業、海外旅行、キャリア、社会、精神性、そして人生の締めくくりや目に見えない世界といったテーマを扱います。
出生図の後半ハウスに多くの天体を持つ人は、キャリア志向が強く、現在や未来の人間関係や社会的なつながりを重視する傾向があるでしょう。
各ハウスの意味

1ハウス
1ハウスは「自分自身」を表すハウス。
アセンダント(ライジングサイン)とも呼ばれ、第一印象や外見、行動の仕方に大きく影響します。
ここにある星は、「私はこういう人です!」と自然に周りに伝えている部分を表します。
2ハウス
2ハウスはお金や持ち物、そして「自分の価値観や自己肯定感」に関わるハウス。
収入や所有物は単なるモノではなく、自分が大切にしている価値や生き方の反映です。
ここにある星は、「私はこういうことで安心感や自己価値を感じる」というテーマを教えてくれます。
3ハウス
3ハウスは学び方やコミュニケーション、身近な環境を表すハウス。
SNSの発信や日々の会話、趣味の学びなど、私たちがどうやって情報を集め、人とシェアするかを示します。
身近な兄弟姉妹や友人との関係にも関係するハウスです。
4ハウス
4ハウスは「家庭・ルーツ・心の安心」を表すハウス。
実家や両親との関係、幼少期の環境だけでなく、大人になってから「自分にとって安心できる場所」をどうつくるかにも関わります。
プライベートな心の居場所を示すハウスです。
5ハウス
5ハウスは「楽しみ・恋愛・自己表現」を表すハウス。
5ハウスは趣味や創作活動、子どもとの関わり、恋のときめきなど、心からワクワクすることすべてがここに入ります。
自分らしく遊び、表現することでエネルギーが高まる場所です。
6ハウス
6ハウスは「日常生活と健康」のハウス。
仕事や家事、体調管理、ルーティンなど、毎日の生活をどう整えるかを示します。
また「人の役に立つこと」にもつながり、ボランティアやサポート役などもここに含まれます。
7ハウス
7ハウスは「パートナーシップ」のハウス。
恋愛や結婚、ビジネスパートナーなど、1対1の関係性を表します。
自分とは違う他者との出会い方や関わり方を通して、自分自身を深く知ることになる領域です。
8ハウス
8ハウスは「深い絆と変容」のハウス。
親密な関係、信頼や共有、お金(遺産や投資など)を通じたつながりを示します。
人との関わりの中で大きな変化を経験しやすい場所であり、「一人では変われないテーマ」に直面することもあります。
9ハウス
9ハウスは「学びと世界の広がり」のハウス。
旅行、海外、語学、哲学、精神的な成長など、「もっと大きな世界を知りたい」という探究心を司ります。
ここにある星は、「どんな学びや冒険が自分を成長させるか」を教えてくれます。
10ハウス
10ハウスは「社会的地位・キャリア」のハウス。
天職や肩書き、社会の中でどう評価されるかを示します。
必ずしも仕事だけではなく、「人から見られる自分の姿」全般に関わります。
人生でどう認められたいかを考えるヒントにもなる場所です。
11ハウス
11ハウスは「仲間・未来のビジョン」のハウス。
友人やコミュニティ、同じ夢を持つ仲間とのつながりを表します。
どんな未来を描きたいのか、そしてそれを仲間とどう実現するかを示す場所です。
12ハウス
12ハウスは「目に見えない世界と心の深層」のハウス。
直感やスピリチュアル、潜在意識、夢など、無意識の領域を司ります。
普段はコントロールできない部分なので、癒しや瞑想などで意識的に向き合うと力を発揮できる場所です。
まとめ
ハウスは「あなたの人生を12の部屋に分けた地図」のようなものです。
そこにどんな星(天体)が入り、どのサイン(星座)の性質をまとっているかで、「何を」「どのように」「どこで」表れるのかがわかります。
ホロスコープを読むとき、天体やサインと合わせてハウスを理解することで、
「その力がどこで発揮されるのか」「どの分野に意識が向きやすいのか」がより具体的に見えてきます。
ハウスを知ることは、自分の人生を多面的に理解する大きな手がかり。
ホロスコープを通じてハウスを学ぶことで、自分にとって大切な場所やテーマを見つけていくことができるでしょう。











