「水星の逆行っていったい何?」
「水星逆行の期間は、どんな影響があるの?」
「水星逆行の期間に気をつけた方がいいことは?」
この記事ではそんな疑問にお答えします。
占星術の世界では定期的に話題になる“水星逆行”。
ここ数年ではXでトレンドになったり、メディアでも取り上げられたりと、日常の中で耳にする機会も増えてきました。
けれど、実際にはどんな意味があるのか、どう過ごせばいいのかは、案外知られていません。
今回は、そんな“水星逆行”についての解説と、水星逆行期にどう過ごせばいいのかをやさしく紐解いていきます。
そもそも天体の逆行とは?

占星術で扱う天体のうち、太陽と月を除くすべての天体は、周期的に「逆行」と呼ばれる動きを見せます。
ですが実際に、天体が宇宙空間で逆向きに進んでいるわけではありません。
これは、地球と他の惑星が太陽のまわりを回る速度と位置の違いによって、
地球から見たときに“後ろに戻っていくように見える”だけなのです。
たとえば、
車を追い越したとき、相手の車が一瞬“後ろに下がったように見える”ことがありますよね。
それと同じように、地球の動きとの関係で天体が「逆向きに進んでいるように見える」現象――
これが、天体の逆行です。
“留(りゅう)”とは? ― 星の動きが止まって見えるタイミング
逆行の前後には、天体の動きがいったん止まったように見える時期があります。
これを「留(station)」と呼びます。
留のとき、天体は空の中でほとんど動かなくなり、
占星術的には「エネルギーが強く凝縮される」と考えられています。
ちょうど、車が方向転換をする前に一瞬ブレーキをかけて止まるようなもの。
星もまた、進行方向を変える前に“静止して見える瞬間”を持つのです。
この留のタイミングは、
その天体の逆行に関するテーマがはっきり意識に上がりやすい時期と言われます。
天体の逆行は占星術ではどう読むの? ― 逆行は“立ち止まって整える時間”
占星術では、この逆行の期間を「天体がもつテーマを見直すための時間」として読み解きます。
ふだん前向きに進んでいた流れが、
一度ペースをゆるめ、内側へとベクトルを向けるような時期。
たとえば――
- 水星の逆行:思考・言葉・コミュニケーションの見直し
- 金星の逆行:人間関係や価値観の再確認
- 火星の逆行:行動や意欲の再調整
つまり、逆行は“停滞”ではなく、リズムの調整期。
外へ進むだけでは見落としていたことを、もう一度拾い上げて整えるための、星からのサインなのです。
――では、具体的に“水星逆行”とはどんな現象なのでしょうか?
水星逆行とは?― 思考とコミュニケーションを“整え直す”星の時間
水星は、太陽のすぐそばを回る天体です。
そのため、占星術では「太陽の意志や目的を、言葉や考えにする星」として働きます。
ふだんの水星は、太陽のそばでその意志を伝える“メッセンジャー”のような存在。
でも逆行の時期は、その水星が太陽から少し離れて、自分のペースを取り戻すように動きます。
まるで、「目的」や「方向性」を一度見失うような時間。
だからこそ、水星逆行の時期には、
「なぜこれをやっているんだろう」
「本当はどう伝えたいんだろう」
といった感覚が揺れやすくなるのです。
つまり、水星逆行とは――目的や考えを整理し直す時間。
行動や言葉がスムーズに出てこないときこそ、
焦らず一度、立ち止まって“自分の考え”を整えるチャンスなのです。
水星逆行ではどんなことが起こりやすいの?― “うまくいかない”の裏にあるサイン

水星逆行の期間は、年に3〜4回ほど。
1回につき、約3週間ほど続きます。
この時期には、次のような出来事が起こりやすくなります。
- メールの送信ミスや、言葉のすれ違い
- スマホやパソコンの不具合、通信トラブル
- 電車や交通の遅れ、予定のズレ
- 何度もやり直しが必要になる仕事や書類
「またトラブルだ…」と落ち込むよりも、「今は“調整”のタイミングなんだ」と受け止めることが大事です。
水星逆行は“見直し”のチャンス―やり残していたことに、光を当てる
この期間に向いているのは、「新しく始める」ことではなく、「すでにあるものを整える」こと。
たとえば、
- 途中になっていた計画やスケジュールの再確認する
- 過去のノートやメモを見返して、忘れていたアイデアを拾う
- 連絡を取らなくなっていた人に、改めてメッセージを送る
- パソコンやスマホのデータを整理して、環境を整える
それらの行動は、一見“後戻り”のように見えて、実は“前に進むための下準備”です。
逆行が終わるころ、あなたの思考や言葉は、以前よりずっとクリアに、軽やかに動き出すでしょう。
水星逆行を上手に過ごすためのヒント―焦らず、ゆっくり、ていねいに

水星逆行の時期に大切なのは、“急がないこと”。
何かが滞るように感じても、それは自然なリズムです。
星の流れが「もう一度見直して」と言っているサイン。
少し立ち止まって、自分の中の“声”に耳を傾けてみましょう。
① 伝える前に、深呼吸を
言葉を交わす前に、ひと呼吸おくことで、
誤解を防ぎ、より正確な気持ちを伝えられます。
② 予定に“余白”を持つ
交通の遅れやスケジュール変更も想定して、
余裕を持った行動を心がけて。
③ “再確認”を意識する
契約・手続き・データ送信などは、いつもより丁寧に。
「確認する」がキーワードです。
④ 思考の整理をする
書き出す・話す・まとめる。
“言葉にする”ことで、心の中が少しずつ整っていきます。
まとめ―水星の逆行は、人生の“整える時間”
水星逆行は、ただの不運な時期ではありません。
言葉・思考・約束・契約――
それらを「丁寧に扱うこと」を思い出させてくれる、やさしい星のリズムです。
前へ進むために、一度立ち止まる。
見直すことで、より深い理解が生まれる。
水星逆行の時期に出会う小さな“ズレ”は、混乱させるためのものではなく、本来のリズムを取り戻すためのサインです。
慌てず、比べず、丁寧に。
その先で、思考も言葉も――
あなたらしい速度で、再び動き始めていくでしょう。