「自分の性格や強みをホロスコープで知りたい」
「占星術でいう“天体”って、どんな意味があるの?」
「10天体を知ると、何がわかるの?」
そんな初心者の方に向けて、この記事では
ホロスコープを読むうえで最も大切な要素――“天体”について、
やさしく、わかりやすく解説していきます。
この記事でわかること
- 西洋占星術の「天体」とは何か(10天体の一覧と意味)
- 天体・サイン・ハウスの基本公式(何を/どのように/どこで)
- 個人天体・社会天体・世代天体の違い
- 天体を読むときの“よくある誤解”と正しい向き合い方
西洋占星術における「天体」とは?
西洋占星術でいう「天体」とは、
太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の10個の星のこと。
この10天体は、あなたの性格・思考・感情・行動・成長・変化など、
人生を構成するすべての要素を象徴しています。
ホロスコープではしばしば「星座(サイン)」が注目されがちですが、
実は、本当の主役は“天体”。
星座は“天体がどんな特徴で動くか”を示すもので、
人生のテーマそのものを担っているのは天体のほうです。
まずは天体の意味を知ることが大切
「ホロスコープを読めるようになりたい!」「西洋占星術を勉強したい!」
と思った西洋占星術初心者はまず10の天体の記号と意味を覚えるところから始まります。
10の天体記号はこちらのとおりです。
見たことのある記号もいくつかあるんじゃないかと思います。

天体記号はすぐに覚えようとしなくても大丈夫です。
何度も何度もホロスコープを見ていくうちに自然と覚えることができます。
天体記号を確認できたら、次は10の天体がそれぞれ何を表しているのかを見ていきます。
天体を知ることは、「自分という宇宙」を知ること
10天体は、それぞれ違うテーマを担当しながら、
あなたというひとりの人間の“内なる宇宙”を構成しています。
たとえば――
太陽は「目指す自分」、
月は「素の自分」、
金星は「心地よさ」、火星は「行動の力」。
こうした天体を理解することで、
あなたが何に情熱を注ぎ、どんな環境で安心し、どんな形で世界に光を放っていくのかが見えてくるはずです。
| 天体 | キーワード | 主な意味 |
|---|---|---|
| 太陽 | 目指す自分 | 人生の目的・理想の自分・やりがい |
| 月 | 素の自分 | 安心・感情・習慣 |
| 水星 | 考え方と伝え方 | 思考・言語・情報 |
| 金星 | 好きと心地よさ | 愛・価値観・楽しみ |
| 火星 | 行動の燃料 | やる気怒り・競争 |
| 木星 | 成長の追い風 | 拡大・幸運・冒険 |
| 土星 | 成熟の先生 | 責任・努力・規制 |
| 天王星 | 革新を起こす力 | 自由・変化・独立心 |
| 海王星 | 夢と直感 | 創造力・理想・曖昧さ |
| 冥王星 | 再生と変容 | 徹底・再誕 |
ホロスコープの天体の分類
10の天体は、その働き方や影響範囲によって
「個人天体」「社会天体」「世代天体(トランスサタニアン)」の3つに分けられます。
それぞれのグループは、
“自分”から“社会”、そして“時代”へと広がる意識のスケールを表しています。
まずは、そのはじまりである――
〈個人天体〉から見ていきましょう。

個人天体(太陽・月・水星・金星・火星)
個人天体は、あなたという人を形づくる「基本的な性質」や「日常的な反応」を表します。
ホロスコープの中でも動きが早く、個人差がはっきり出るため、最も“あなたらしさ”が現れる部分です。
たとえば、太陽は「どんな自分を目指すか」、月は「どうすれば安心できるか」。
水星は「どんなふうに考え、言葉を使うか」、金星は「何に心地よさを感じるか」。
そして火星は「どう行動するか・どこにエネルギーを注ぐか」を教えてくれます。
つまり、個人天体とは、あなたが日常の中で自然に動いているリズムそのもの。
恋愛の傾向、仕事での反応、コミュニケーションの癖など、すべてこの5つの天体が関係しています。
社会天体(木星・土星)
社会天体は、あなたが社会の中でどう成長し、どんな役割を果たしていくかを示す天体です。
個人の内面というよりも、「社会との関わり方」や「人生の方向性」を広い視点から導いてくれます。
木星は、あなたがどんな分野でチャンスを得やすいか、どんな経験を通して成長できるかを教えてくれる星。
“広げる力”を持ち、学び・発展・幸運といった拡大のテーマを司ります。
一方で土星は、あなたがどんな責任を背負い、どんな形で成熟していくかを示す星です。
“形にする力”を持ち、努力・継続・現実的な成果を担当します。
この2つの天体は、いわば人生の成長曲線を描く存在。
木星が「広げる」、土星が「固める」ことで、あなたの社会的な基盤が築かれていきます。
世代天体(天王星・海王星・冥王星)
世代天体は、ひとりの人間を超えた「時代のテーマ」や「世代の理想」を象徴する天体です。
1つのサインに7〜20年ほど滞在するため、同じ時期に生まれた人々の間で共通の価値観や世界観を形づくります。
この3つの天体は、あなた個人の資質というよりも、「あなたがどんな時代の風を生きているか」を教えてくれます。
世代天体を読むことで、自分の人生が“もっと大きな流れの中にある”ことを感じられるでしょう。
天体の持つ基本的な意味
太陽 ― 目指す自分
太陽が示すのは、「こうなりたい」と願う理想の姿です。
あなたがどんな分野で力を発揮し、どんな形で自分らしさを表現していくのかを教えてくれます。
もし今、何かを選ぼうとして迷っているなら。
「どんな自分でいたいか」を思い出すこと。太陽は、そこに答えをくれます。
月 ― 素の自分
月は、あなたが安心できる“心の居場所”を示す星。
無意識の反応、日々の気分の波、ふとしたときの「ホッとする感覚」――それが月の領域です。
誰かに見せている自分ではなく、何も考えずにいられる“素のあなた”。
感情をどう受け止め、どんな環境で安心できるかを教えてくれます。
月を知ることは、自分をやさしく包みなおすこと。
「安心」は、意志よりも深い場所から生まれるのです。
水星 ― 考え方と伝え方
水星は、あなたの「考える力」と「伝える力」を担う星。
どんなふうに物事を理解し、どう人とコミュニケーションを取るのかを映します。
会話のテンポ、文章の癖、思考のスピード。
それらはすべて、水星があなたに与えた“知性のリズム”。
学びたい気持ちや、好奇心を刺激するテーマを見つけたとき、
水星はあなたの中で一番よく動きます。知ることは、あなたにとって生きるよろこびのひとつです。
金星 ― 好きと心地よさ
金星は「ときめき」や「美しさ」を感じるセンサー。
何が心地よく、どんなものに価値を感じるか――あなたの感性そのものです。
恋愛や人間関係、趣味やデザインにも金星のテーマが宿ります。
「これが好き」と思える瞬間は、あなたが自分を愛しているサイン。
金星が教えてくれるのは、“心地よさを選ぶ勇気”。
他人の基準ではなく、自分の「好き」に素直でいることが、人生を豊かにしてくれます。
火星 ― 行動の燃料
火星は、あなたを動かす“内なる炎”。
やる気・闘志・挑戦心といった、行動の源泉を司ります。
火星のエネルギーは、情熱の方向を決める羅針盤。
怒りを感じるとき、衝動的になるとき――それは火星が「もっと本気で生きよう」と呼びかけている証です。
自分の火星を知ることで、無理に頑張るのではなく、
“自然と動けるタイミング”を掴むことができるでしょう。
木星 ― 成長と幸運
木星は、拡大・発展・学びの星。
あなたが成長できるテーマ、運が巡ってくる分野を示します。
努力を後押しし、チャンスを引き寄せるサポーターのような存在。
「ワクワクする方向へ進む」――それが木星のエネルギーを生かすコツです。
幸運は、偶然ではなく“広げようとする意志”の中に生まれます。
木星は、あなたの世界を軽やかに広げる風のような星です。
土星 ― 成熟の先生
土星は、時間とともに強くなる星。
制限・責任・努力といった、人生の骨格をつくるテーマを担います。
簡単ではないからこそ、そこに本当の実力と信頼が宿ります。
土星が教えるのは、「時間を味方にすること」。
焦らず、一歩ずつ積み上げること。
それがやがて、あなたにとっての安心と自由を生み出していくのです。
天王星 ― 変化と自由
天王星は、自由と変化を象徴する星。
常識や枠を壊して、新しい発想をもたらします。
突然の転機、予想外の展開――それらはすべて、あなたが「次の自分」へ進むサイン。
自分らしく生きるために、変化を恐れない勇気を与えてくれます。
天王星は“変わること”を恐れない人に力を貸す星。
それは破壊ではなく、あなたらしさを取り戻すプロセスです。
海王星 ― 夢と直感
海王星は、現実をやわらかく溶かしてくれる星。
理想・芸術・共感・直感――目に見えない領域を司ります。
想像力が広がるとき、人や世界との境界があいまいになります。
それは、あなたが「つながる力」を発揮している証。
海王星は、夢を描くだけでなく、「信じる力」も与えてくれる星です。
現実の中に優しさや美しさを見出す感性を育ててくれます。
冥王星 ― 再生と変容
冥王星は、深いところから生まれ変わる力を象徴します。
一度すべてを壊してでも、本当の自分を取り戻そうとする星。
人生の節目や極限の体験を通して、あなたの核を強くします。
恐れの裏には、圧倒的な再生のエネルギーが隠れています。
冥王星は「終わり」を通じて「はじまり」を教える星。
変化を恐れず、手放した先に訪れる“新しい自分”を信じてください。
初心者が陥りやすい誤解
占星術を学びはじめると、「この星が悪いのでは?」「自分は向いていないのかも」と感じることがあります。
けれど、それはどれも誤解です。
天体はあなたを制限するものではなく、自分を知り、人生をより自由にするためのヒントを与えてくれる存在です。
「悪い天体」は存在しない
土星や冥王星などは「怖い」と思われがちですが、
どの天体も中立で、成長や学びの機会を与える存在です。
- 土星:制限を通して努力と安定を教える先生
- 冥王星:破壊と再生を通して真の強さを育てる星
- 火星:衝動と勇気のバランスを学ばせる星
このように、大変なイメージを持たれたかもしれませんが、それこそが成長の源であり、幸せになるための過程だということを教えてくれる星です。
ひとつの天体だけで自分を決めつけてしまう
「太陽が◯◯座だから私はこう」「金星が××座だから恋愛は苦手」――
つい、ひとつの天体だけで自分を説明したくなることがあります。
けれど、ホロスコープは“10の星が奏でるオーケストラ”。
どの天体もあなたの一部であり、それぞれの声が重なって「あなた」という物語をつくっています。
一つの天体がうまくいかないときは、別の天体が助けてくれることもあります。
自分を“部分”で決めず、“全体”として見つめることが、星読みの本当の楽しみです。
天体どうしの関係は「戦い」ではなく「対話」
占星術を学びはじめると、「この天体とこの天体が衝突してる」と感じることがあります。
でも、それは“敵対”ではなく、“対話”のサインです。
たとえば、火星と金星がぶつかる配置は「行動したい」と「楽しみたい」の対話。
土星と太陽なら「責任を果たしたい」と「自分らしくいたい」の会話です。
アスペクトは、あなたの中で起きている内なる会話。
“葛藤”ではなく“調和の練習”だと思って向き合うと、星たちの関係がぐっと優しく感じられるでしょう。
まとめ
10の天体は、ホロスコープの中で最も大切な“心の羅針盤”です。
それぞれの天体が、あなたの中で異なる力を動かし、人生のあらゆる場面で影響を与えています。
サインやハウスは、天体がどう働くか・どこで発揮されるかを示すもの。
けれど、人生の主役はいつだって“天体=あなた自身のエネルギー”です。
太陽が目指す方向を照らし、月が心を癒やし、火星が行動を後押しし、木星や土星が成長を導く。
そして、天王星・海王星・冥王星が、あなたの世代全体に共通するテーマを描きます。
どの天体も、良い・悪いで判断するものではなく、あなたの中でそれぞれの意味を持って輝いています。
それを知ることが、自己理解の第一歩であり、「自分らしさを取り戻す旅」の始まりです。
「だけど10天体全部を覚えるのは大変...」と思っている方。
まずは、自分の「太陽・月・水星・金星・火星」がどの星座にあるかを調べてみてください。
そこから、あなたの個性・感情・思考・愛し方・行動のスタイルが見えてくるはずです。
10天体を知ることは、
あなたという存在を10の光で映し出すこと。
それぞれの星の物語を読み解くことで、
あなたの人生が少しずつ、やさしく整っていくでしょう。








