太陽シリーズ
「太陽はなぜ“あなたらしさ”や“人生の目的”を表すの?」
「ホロスコープで太陽が重要と言われるのはなぜ?」
そんな疑問はありませんか?
ホロスコープの太陽を深く読むためには、
太陽の持つ意味をキーワードだけで覚えるのではなく、
“太陽そのものが、どんな性質を持つと捉えられてきたのか”を理解することも大切です。
前回の記事では、
太陽が古代の人々にとって「生活と時間の中心」だったことをテーマに、
神話や歴史の中で太陽がどのように扱われてきたのかをまとめました。
今回は、
太陽の象徴の“根っこ”となった 四元素(エレメント)・自然哲学 の視点から、
初心者でも理解できるよう、太陽の性質を紐解いていきます。
太陽の象徴を理解する鍵は「熱」と「乾燥」
古代の占星術では、“自然観察”がベースです。
天体がどんなふうに影響しているように見えるか。その観察を象徴へ翻訳していたのです。
天体にはそれぞれ、
「熱・冷・乾・湿」 という性質が割り当てられており、
その中で太陽は、
「熱」と「乾燥」をもたらす天体 と考えられていました。
- 熱 = 生命を動かす/活力を与える
- 乾燥 = 境界を明確にし、輪郭をはっきりさせる
この2つの性質は、そのまま“意志・中心・選択・主体性” という太陽の象徴につながっていきます。
- 熱がある → ものが動き、活動が始まる
- 乾燥がある → 自分と他者、やる/やらないの線引きが生まれる
つまり太陽は、
「生命を動かし、意識を立ち上げ、明確な方向性を作る天体」
として捉えられていたのです。
火の元素は「熱 × 乾燥」で生まれる

ここで重要なのが、四元素(エレメント)の成り立ちです。
四元素(エレメント)は、
熱・冷・乾・湿 の2つの性質を組み合わせて作られます。
エレメントの組み合わせ
- 火 = 熱 × 乾燥
- 風 = 熱 × 湿
- 水 = 冷 × 湿
- 地 = 冷 × 乾燥
太陽が「火」と結びついたのは、
太陽自身が熱と乾燥をもたらす天体だったからと言われています。
火の性質とは?
ではここからは、太陽と深く結びつく「火」という元素そのものに目を向けてみます。
- 遠くへまっすぐ昇る
- エネルギーを活性化させる
- 暗闇を明るく照らす
これらはすべて、太陽の働きと重なります。
太陽は昇れば世界を動かし、体を温め、物事の輪郭を見えるようにする。
火の象徴に重なる太陽の性質が、
のちの占星術で 「中心・意志・自我」 を表す根拠になりました。
「熱と乾燥」から生まれる太陽の象徴 ― 意志・中心・選択・主体性

火は、
ものを動かし、境界を作り、形を定義するエレメントです。
太陽も同じ働きを持つため、
太陽には次のような象徴が結びついていきました。
- 《意志》
熱によって生命が動き始める → 内側から湧く「動きたい力」 - 《判断・選択》
乾燥(バラバラのイメージ)が境界を作る → やる/やらないの線引きを生む - 《自我》
輪郭が明確になる → 「自分は誰か」が立ち上がる - 《中心性》
火が中心から広がるように → 太陽も人生の中心=軸を示す
太陽が“人生の目的”“自己の核”と表現されるのは、こうした自然哲学的な背景があるためです。
太陽の光は「世界を見えるようにする」― 自我や意識の象徴と結びついた理由

太陽の持つ火のエネルギーは、
世界を“見えるようにする力”を持つと捉えられていました。
- 光がある → 物事の輪郭が見える
- 熱がある → 活動が始まる
これは心理学の視点から見ても自然な感覚です。
- 朝日を浴びると気持ちが前向きになる
- 太陽が昇ると自然に体が動き始める
人間は本能的に、光と熱に反応します。
この身体の感覚が、
太陽=意志・中心・選択・主体性
という象徴へと結びついていったのでしょう。
まとめ ― 太陽の象徴は“自然のふるまい”から生まれた
太陽の象徴は、思想や心理学から突然生まれたものではなく、
自然の観察と体験の積み重ね から作られたものでした。
太陽の象徴は、遠い天体の話ではなく、
私たちが毎日感じてきた“光と熱の体験”そのものなのだと思います。
- 太陽は「熱」と「乾燥」をもたらす天体
- 熱 × 乾燥 = “火”という元素を構成する性質
- 火の性質は、太陽のふるまいとそのまま重なる
- 光と熱は、心理的にも“意識の立ち上がり”を引き起こす
太陽の象徴をエレメントの視点で理解すると、太陽の“気質の奥行き” が格段に深まります。
ホロスコープをもっと深掘りするために、太陽の本質をイメージしていきましょう。
太陽シリーズ
